年齢とともに、「体力が落ちてきた」「疲れやすくなった」と感じることはありませんか?
運動の必要性はわかっていても、時間が取れなかったり、何から始めていいかわからなかったりして、なかなか続かないものです。
そんな方におすすめしたいのが、日常の中でできる「階段習慣」です。
私は保健指導の仕事に携わるようになって以来、意識して階段を使うようになりました。職場は4階ですが、できるだけエレベーターは使わず、自分の足で上り下りしています。
始めたばかりの頃は、正直かなりきつくて、4階に着くころには「はあはあ」と息が上がっていました。
それでも無理のない範囲で続けていくうちに、1ヶ月もしないうちに自然と習慣になり、息切れも気にならなくなってきました。今では「基本、階段を使う」が完全に習慣化した私が、階段利用をどうやって習慣にしたか、その効果と継続のコツをお伝えします。
「運動しなきゃな…」と思っているあなたの、最初の一歩につながれば嬉しいです。

足元から、体は変わっていく
保健指導の現場でも、「老化は足から」という言葉を実感する場面は少なくありません。
足の筋力が落ちると、
・疲れやすくなる
・つまずきやすくなる
・外出がおっくうになる
といった変化が起こりやすくなります。
実際、筋肉の減り方は体の部位によって差があることが分かっています。日本老年医学会雑誌に掲載された谷本らの研究(2009年)によると、腕などの上肢は年齢を重ねてから緩やかに減っていくのに対し、脚などの下肢は20歳代のうちから著しく減少が始まるとされています。別のデータでは、20歳の頃と比べて60歳では上肢の筋肉量が約10〜20%減るのに対し、下肢は約20〜40%も減ってしまうという報告もあります。つまり「脚は他の部位よりずっと早く、大きく衰えていく」ということです。

中でも特に衰えやすいのが、太ももの前側にある「膝を伸ばす筋肉」。この筋肉は脚を一歩前に出したときに体を支える役割を持っていて、ここが弱ると歩幅が小さくなったり、つまずきやすくなったりすると言われています。まさに、階段を上るときに一番使う筋肉です。
階段の上り下りは、太もも・お尻・ふくらはぎといった大きな筋肉を効率よく使うことができ、日常の動きを支える力を保つのに役立ちます。
小さな積み重ねでも、しっかり意味がある
下肢の筋肉は、生活の質そのものに直結する筋肉とも言われています。しかも年齢を重ねるほど、その減っていくスピード自体が加速していくこともわかっています。だからこそ、「まだ大丈夫」と思っている今のうちから、階段のような小さな習慣を積み重ねておくことに意味があるのです。
例えば体重50kgの方の場合、4階まで階段を上ると約3〜4kcalを消費します。往復で約6kcal。
一見わずかに感じますが、これを毎日続けると年間で約1,500kcal、体脂肪にして約200g分になります。特別な運動の時間を取らなくても、日々の積み重ねで体は少しずつ変わっていきます。
運動着に着替えなくていい。天候にも左右されない。毎日の移動を変えるだけで、こんなに差がつくなんて、すごくコスパのいい習慣だと思いませんか?

でも 無理をしないことが、いちばん大切
続ける中で大事だと感じたのは、「頑張りすぎないこと」です。
時間的に余裕がないときや、体調的にきついと感じる日は、無理せずエレベーターを使っています。
「毎日絶対に階段」と決めてしまうと、かえって負担になってしまいます。
ちょっと頑張る これが継続のコツかもしれません。
まずは「1回だけ」で十分
最初から完璧を目指す必要はありません。
まずは「1日1回だけ階段を使う」と決めるだけで十分です。
できる日が増えていけば、それだけで大きな変化につながります。
まとめ
40代・50代からの健康づくりは、「無理なく続けられること」が何より大切です。
階段は、特別な準備もいらず、天候にも左右されないため、日常の中で自然に取り入れやすい習慣です。
できる日だけ、1回だけでも大丈夫。
その小さな積み重ねが、これからの体をしっかり支えてくれます。

【参考文献】
谷本芳美ほか「日本人筋肉量の加齢による特徴」日本老年医学会雑誌 2009年
この記事を書いた人:pon|管理栄養士。医療機関での勤務経験を活かし、減塩・食品表示など「体にやさしい食」をテーマに発信しています。ヨガ講師資格(RYT200)も持ち、食と心身のケアの両面から情報をお届けします。


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