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外食で「薄味」は頼めるの?管理栄養士が主要チェーンを調べたら、業界で正反対でした

減塩・血圧ケア

先日、ラーメン屋さんのタッチパネルで「味薄め」が選べた話を書きました。

あの記事を書いてから、ずっと気になっていたことがあります。

「これって、他のお店でもできるの?」

ラーメン屋さんだけの話なのか、それとも外食全体がそういう流れになっているのか。気になって仕方がなくなってしまいました。

そんなとき、職場の管理栄養士さんが、こんなことを教えてくれたんです。

「ハンバーガー屋さんのポテトも、塩の量を選べるらしいですよ」

え、そうなの!?

というわけで今回は、主要な外食チェーンで「薄味」は頼めるのかを、まとめて調べてみました。結果は——正直、予想とはまったく違いました。


結論:業界によって、まるで正反対でした

先に結論をお伝えします。調べてみてわかったのは、外食のカスタマイズは、いま二極化しているということでした。

業界動いている方向
ラーメン選べるのが当たり前。タッチパネルでさらに加速
ファストフードむしろ縮小している

私はてっきり、「外食全体がカスタマイズできる方向に進んでいる」のだと思っていました。でも、そうではなかったんです。

ひとつずつ見ていきますね。


選べる業界:ラーメンは、やっぱり別格でした

一蘭は「7項目」も選べる

まず驚いたのが、一蘭です。公式サイトによると、あのオーダー用紙では7つの項目を自分で選べるのだそうです。味の濃さ、麺のかたさなどが含まれます。

注文用紙に丸をつけていくあのスタイル、「こだわりの演出」だと思っていました。でも栄養の目で見ると、味の濃さを自分で決められる仕組みなんですね。

家系ラーメンは「3つの好み」を聞かれる

そしてもうひとつが、家系ラーメン。ここでは注文のときに、

  • 味の濃さ(濃いめ/普通/薄め)
  • 脂の量(多め/普通/少なめ)
  • 麺の硬さ(硬め/普通/柔らかめ)

を聞かれるのが基本なのだそうです。

つまり家系は、「薄め」「脂少なめ」が最初から選択肢に入っている。減塩を意識している人にとっては、実はいちばん融通が利くジャンルだったんです。これは意外な発見でした。


ちょっと寄り道:「家系」と「二郎系」って、何が違うの?

……ここで正直に告白します。

私、今回調べていて、家系と二郎系というものについて初めて知りました。 管理栄養士なのにお恥ずかしい話ですが、ラーメン屋さんから足が遠のいていたので、その違いについてはまるで無知だったのです。

せっかくなので、由来まで調べてみました。これがなかなか面白かったので、少しだけお付き合いください。

家系(いえけい)=「家族」だった

家系ラーメンのはじまりは、1974年。吉村実さんという方が、横浜の新杉田に「吉村家」を創業したのがルーツです。豚骨と鶏ガラをベースにした醤油スープに、太麺。ほうれん草・チャーシュー・海苔がのった、あのスタイルですね。

では、なぜ「家系」なのか。お弟子さんたちが独立するときに「〇〇家」と名乗る慣習が生まれ、それがジャンル名になった——というのが一般的な説明です。

ただ、創業者の吉村さんご本人は、こう語っていらっしゃいます。

家系っていうのは「家」だから。「家族」だということで、教えている

(神奈川県が運営する文化情報サイト「マグカル」のインタビューより)

「家」の系譜ではなく、「家族」だから。なんだかいい話だなあ、と思ってしまいました。

二郎系=実は「書き間違い」から生まれた名前

もうひとつの二郎系。こちらは1968年、山田拓美さんが創業した「ラーメン二郎」がルーツです。

そして、ここがいちばん驚いたところなのですが——もともとは「ラーメン次郎」だったのだそうです。「次」の字ですね。

それが1970年代に三田へ移転したとき、看板屋さんが「次郎」を「二郎」と書き間違えてしまった。そしてそのまま、今日まで使われ続けている、と。

ちなみに元の「次郎」という名前も、1967年に発売されたインスタントラーメン「ラーメン太郎」をもじったものなのだそうです。書き間違いが、そのまま日本を代表するラーメンの名前になってしまった。 すごい話だと思いませんか。

そして、いちばん大事だと思ったこと

二郎系のお店には、「コール」と呼ばれる独特の注文の仕方があるのだそうです。

ラーメンが盛り付けられる直前に、店員さんから「ニンニク入れますか?」と声をかけられる。そのタイミングで、無料のトッピングをどれくらいにするかを、自分で口頭で伝える——これがコールです。

伝えられるのは、この4つ。

コールの言葉意味
ヤサイもやしやキャベツの量
ニンニクにんにくの有無
アブラ背脂の量
カラメスープの濃さ

量は「抜き」「少なめ」「普通」「マシ」「マシマシ」といった言葉で伝えるのだそうです。何も言わなければ、普通の量で出てきます。

……ここで、お気づきになったでしょうか。

「カラメ」は、スープの濃さなんです。

つまり二郎系では、「カラメ少なめ」と伝えれば、味を薄くしてもらえるということ。あの、こってりしたイメージのラーメンでさえ、味の濃さは自分で決められるのだと知って、正直びっくりしました。

そして、調べていていちばん心に残ったのが、この一文でした。

このコールという文化は、もともと常連のお客さんたちの「加減の要望」から始まって、それが一般化したもの——なのだそうです。

つまり、お店が用意したサービスではなかった。お客さんの側から生まれた文化だったんですね。

家系の「味の濃さはどうしますか?」も、二郎系の「カラメ」も、そして私が感動したあのタッチパネルも——たどっていくと、「自分の好みで食べたい」というお客さんの声にたどり着く。そう思うと、あのタッチパネルの画面が、また少し違って見えてきます。


意外だった:ファストフードは、むしろ縮小していました

さて、話を戻します。職場の管理栄養士さんに教わった「ポテトの塩」の件です。

期待しながらマクドナルドの公式サイトを調べてみたのですが——結果は、予想外でした。

公式の「よくあるご質問」には、こう書かれていたんです。

塩の分量は決まっています。
マックフライポテト®をおいしく召し上がっていただくための、最適な分量を定めています。

塩の量は固定、という説明でした。塩抜きや塩少なめについての案内は、見つけられませんでした。

さらに、バーガーのカスタマイズについては、こう書かれていました。

多め・少なめ」のカスタマイズにつきましては、現在サービスを終了しております。
「抜き」のご要望については引き続き承っております

「多め・少なめ」は、もう終わっていた。 残っているのは「抜き」だけ。

ラーメン業界が「選べる方向」に進んでいるのとは、まったく逆の動きです。ここが今回、いちばん驚いたところでした。

外食のカスタマイズは、どこも一様に広がっているわけではない。業界ごとに、まったく違う方向へ進んでいるのだと知りました。


ポテトの塩抜きについて、正直に書いておきたいこと

「でも、実際には塩抜きで頼めるって聞いたよ?」——そう思われた方もいるかもしれません。私も調べながら、同じことを思いました。

たしかに、お店によっては対応してもらえることがあるようです。ただ、それは公式に案内されているサービスではありません。そして、ここは正直に書いておきたいのですが——

塩抜きのポテトは、注文ごとに揚げ直しが必要なのだそうです。3分ほどかかるといわれています。通常のポテトは、揚げたものに塩をふって保温してあるので、すぐに出せる。つまり塩抜きは、その場で一から作ってもらうことになるわけです。

実際に、店員さんの負担になっているという声も見かけました。

だから私は、こう思っています。

  • 公式のサービスではない、ということをまず知っておく
  • どうしても必要なときは、混んでいない時間に
  • そして、「お手数ですが」の一言を添える

健康のための工夫が、誰かの負担の上に成り立ってしまっては、なんだか本末転倒ですよね。お願いできる立場ではなく、お願いさせてもらう立場。そこは忘れずにいたいなと思います。

なお、職場の管理栄養士さんは「タッチパネルで選べるファストフード店もあるらしい」とも教えてくれました。バーガーキングだったかも、とのことでしたが、今回公式サイトで確認を取ることができませんでした。ここは推測で書きたくないので、保留にしておきます。

我が家は子どもがファストフード好きで、2か月に1回くらいは利用します。次に行ったときに、この目で確かめてこようと思います。分かったら、また書きますね。


「減らす」以外の道もありました:サブウェイの野菜増量

ここまで「どうやって塩を減らすか」の話をしてきましたが、まったく逆のアプローチをしているお店もありました。

サブウェイです。公式サイトによると、基本の野菜——レタス・トマト・ピーマン・オニオン——は、無料で量を調整できるのだそうです。

これ、前回のラーメン記事で書いた「ネギは遠慮なく多めでいい」と、まったく同じ発想なんですよね。

塩を減らすのではなく、野菜を増やして全体のバランスを取る。「減らす」だけが健康的な選び方ではない、ということを、あらためて教えてもらった気がします。


そもそも「減塩メニュー」がある店:リンガーハット

そして今回、いちばん「知らなかった……!」と声が出たのが、これです。

リンガーハットには「減塩ちゃんぽん」がある。

私、リンガーハットには行ったことがあるんです。それなのに、こんなメニューがあることをまったく知りませんでした。管理栄養士として、少し反省しています。

公式サイトの数値を見て、さらに驚きました。

メニュー食塩相当量
長崎ちゃんぽん(通常)7.1g
減塩ちゃんぽん4.6g(スープの塩分30%カット)
減塩ちゃんぽん 麺少なめ4.4g

ここで、ラーメンで「味薄め」が選べる時代|管理栄養士が驚いたタッチパネルと、後半に味が濃くなる理由でお伝えした数字を思い出してください。厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、食塩相当量の1日の目標量は成人女性で6.5g未満でした。

つまり——通常のちゃんぽん1杯(7.1g)で、1日の目標量を超えてしまうということになります。

それが減塩タイプなら4.6g。この差は、決して小さくありません。

しかもリンガーハットの公式サイトによると、この商品は「お客さまの”声”から生まれた」のだそうです。ここでもまた、お客さんの側から始まっている。二郎系のコールと、同じ構図です。

「こういうものが欲しい」という声は、ちゃんと届くことがある。そう思うと、少し希望が持てます。

しばらく行けていないのですが、近いうちに食べに行ってみようと思っています。


頼めないお店でも、「数字」は見られます

ここまで読んで、「うちの近くのお店は、そんなの選べないよ」と思われた方もいるかもしれません。

でも、大丈夫。カスタマイズができなくても、選ぶ材料をくれているお店はあります。

「減塩ネット」の調査によると、メニューに食塩相当量を表示している全国チェーンは、次の9社です。

スターバックス/吉野家/ロイヤルホスト/サイゼリヤ/ガスト/華屋与兵衛/大戸屋/リンガーハット/丸の内タニタ食堂

なかでも大戸屋は、公式サイトの店舗別ページで、全メニューのエネルギーと食塩相当量を公開しています。

薄味に変えてもらえなくても、数字が分かれば、選ぶことはできる。これは、コンビニで栄養成分表示を見るのと、まったく同じ考え方ですね。


まとめ:知っているかどうかで、選べる幅が変わる

今日のお話をまとめます。

  • 外食のカスタマイズは二極化していた。ラーメンは選べる方向へ、ファストフードはむしろ縮小(マクドナルドは「多め・少なめ」を終了、ポテトの塩は「分量が決まっています」)
  • ラーメン業界は別格。一蘭は7項目、家系は「味の濃さ・脂の量・麺の硬さ」を選べる
  • 家系は1974年の吉村家が、二郎系は1968年のラーメン二郎がルーツ。二郎の名前は「次郎」の書き間違いから
  • 二郎系の「コール」では、カラメ=スープの濃さ。「カラメ少なめ」で味を薄くできる
  • そのコールも、リンガーハットの減塩ちゃんぽんも、お客さんの声から生まれたもの
  • ポテトの塩抜きは公式サービスではない。揚げ直しの手間がかかるので、混雑時は避け、一言添えて
  • サブウェイは野菜を無料で増やせる。「減らす」以外の道もある
  • リンガーハットの減塩ちゃんぽんは4.6g(通常は7.1g)
  • カスタマイズできなくても、塩分を表示している全国チェーンが9社ある

調べてみて思ったのは、「知っているかどうか」で、選べる幅がずいぶん変わるということでした。

私自身、リンガーハットに行ったことがあるのに減塩メニューを知りませんでしたし、家系ラーメンが「薄め」を選べることも知りませんでした。知らなかったから、選べなかったんです。

完璧を目指す必要はありません。でも、選択肢を知っておくだけで、外食はもう少し気楽なものになると思います。

次に外食するとき、メニューの端っこや、タッチパネルの画面を、ちょっとだけよく見てみてください。 思っているより、選べることがあるかもしれません。


出典・参考

  • マクドナルド公式「よくあるご質問」ポテト/バーガー
    https://www.mcdonalds.co.jp/cservice/list.potato/
    https://www.mcdonalds.co.jp/cservice/list.burger/
  • サブウェイ公式「ご注文方法」
    https://www.subway.co.jp/menu/howtoorder/step04.html
  • リンガーハット公式「減塩ちゃんぽん」/「アレルギー・栄養価情報」
    https://www.ringerhut.jp/menu/champon/genen_cp/
    https://www.ringerhut.jp/quality/allergy-nutrition_value/
  • 一蘭公式コラム「オーダー用紙」
    https://en.ichiran.com/column/clmn-005047.html
  • マグカル(神奈川県)「家系総本山吉村家・吉村実氏インタビュー」
    https://magcul.net/topics/285704
  • 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」
    https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/eiyou/syokuji_kijyun.html
  • 減塩ネット「メニューに塩分または食塩相当量を表示している飲食店」
    https://gen-en.net/restaurant-menu.html

※各チェーンのカスタマイズ対応・メニュー・栄養成分は、店舗や時期によって変わります。情報は2026年8月時点のものです。最新の情報は各社の公式サイトでご確認ください。

記事内の情報は個人の体験と一般的な情報をもとにしたものです。塩分の制限が必要な方、高血圧や腎臓の疾患で治療中の方は、医師や管理栄養士の指示に従ってください。


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