夏休みが、終わりました。
7月の終わりに、夏休みの子どもの昼ごはんについての記事を書きました。あのとき私は、こんなふうに書いていたんです。
まるで長いマラソンを走っているような感じ——正直、そう感じています。ゴールの見えない毎日の中で、少しずつでも走り続けないといけない。
あれから約1か月。
ゴール、ありました。
不思議なもので、7月はずいぶんゆっくりに感じたのに、8月はあっという間でした。お盆があったからかもしれません。
今日は、走り終えた者として、正直な振り返りを書きます。前回「これで乗り切ります」と宣言したことが、実際どうだったのか。 その答え合わせも含めて、包み隠さずお話しします。

走り終えて、正直に言うと
まず、いちばん意外だったことから。
今年は、そんなに大変ではありませんでした。
前回の記事では「長いマラソン」だなんて書いておきながら、これを書くのは少し気恥ずかしいのですが……走ってみたら、思っていたよりずっと楽だったんです。
理由は、たぶんひとつ。手を抜くことを覚えたから。
何年も夏休みを繰り返すうちに、だんだん慣れてきたのだと思います。耐性がついた、と言ってもいいかもしれません。
「今年もあの地獄が来る」と身構えていたけれど、実際に走ってみたら、去年よりずっと呼吸が楽だった。これは、同じように何度目かの夏休みを迎える方に、いちばんお伝えしたいことです。回を重ねるごとに、確実に楽になります。
答え合わせ①:実際の主役は「ベスト5」ではありませんでした
前回の記事で、私は自信満々に「我が家のおすすめメニュー ベスト5」を紹介しました。カレー、二色丼、ハンバーグ、カニ玉、冷凍うどん——確かにどれも登場しました。
でも、この夏、いちばん働いてくれたのは、そこに書いていなかったものでした。
大きいツナマヨおにぎり、2つ。
うちの子は、どうやらツナマヨおにぎりが大好きなようなのです。
だから、お弁当の日は毎回、大きめのツナマヨおにぎりを2つ作りました。それを弁当箱にどんと詰めて、空いた隙間におかずを差し込む。この形に落ち着きました。
毎回同じです。ほぼ毎回、ツナマヨおにぎり。
「それでいいの?」と思われるかもしれません。私も最初は思いました。でも——これが正解でした。
答え合わせ②:管理栄養士が「彩り」を諦めた話
ここからは、この記事でいちばん書きたかったことです。
お弁当作りには、「彩り」という言葉があります。赤・黄・緑をバランスよく入れると、見た目が良くなり、栄養バランスも整いやすい——管理栄養士なら、当然そう考えます。
だから私も、入れていたんです。黄色が足りないから、卵焼きを。
しかも、ただ焼いたわけではありません。子どもが好きそうな、食べやすい甘い味つけにしました。だし巻きのようなしょっぱい味ではなく、砂糖をきかせた、子ども向けの卵焼きです。「これなら食べてくれるはず」と思って。
結果はどうだったか。
そのまま、残って帰ってきました。 一口も手をつけずに。
一度や二度ではありません。何度も、何度もです。

正直に言います。そういうときは、ガッカリしました。 朝の忙しい時間に、わざわざ甘めに味を調えて焼いた卵焼きが、そっくりそのまま戻ってくる。「食べやすいように作ったのに」と、ため息が出ました。
そして、何度も繰り返すうちに、あることに気づきました。
うちの子は、気に入ったお肉料理なら、きれいに食べてくるんです。食が細いわけでも、少食なわけでもない。でも、好きでないものは——本当に、素直に残してくる。
無理して口に入れたり、「食べたふり」をしたりしない。ある意味、とてもまっすぐなんですよね。「食べたいものは食べる、食べたくないものは食べない」。そこがはっきりしている。
そこまで見えてきて、私はある結論にたどり着きました。
もう、彩りは諦めよう。

代わりに、本人が食べるもの、食べたいものを入れよう、と。
これは管理栄養士として、少し勇気のいる決断でした。でも、走り終えた今なら、はっきり言えます。この判断は、間違っていなかったと。
なぜなら——食べなければ、栄養はゼロだから
これは、管理栄養士として本気で言いたいことです。
どんなに栄養バランスの整ったお弁当を作っても、子どもが食べなければ、摂取した栄養は「ゼロ」です。
一方、ツナマヨおにぎりにはごはん(炭水化物)とツナ(たんぱく質)が入っています。そこに冷凍のコロッケを添えれば、それも食べてくれる。完璧ではなくても、確実に体に入っていく。
彩り豊かで一口も食べられないお弁当と、地味だけど完食されるお弁当。栄養学的に価値があるのは、明らかに後者です。
教科書に載っている「理想のお弁当」と、目の前の子どもが実際に食べるもの。そのあいだで揺れたとき、私は「食べてもらえるほう」を選びました。
同じことで悩んでいる方がいたら、伝えたいです。彩りを諦めるのは、手抜きではありません。 それは「食べてもらう」という、いちばん大事な目的に向かって、優先順位を選び直しただけのことです。
答え合わせ③:お助けアイテムは、宣言どおり働いてくれました
前回の記事で「冷凍のお助けおかず、本当に便利です」と書きました。これについては、予告どおりでした。
- 冷凍コロッケ:お弁当の隙間を埋める救世主。もちろん今年も大活躍
- 冷凍餃子:お弁当のない日のお昼は、これに助けられました
- 冷凍弁当(nosh):これには、ちょっとしたエピソードがあります
子どもが、ずっと食べたがっていた冷凍弁当
実は私、普段から週に1回くらい、自分のお昼にnoshを利用しています。
すると、それをそばで見ていた子どもが、前々から言っていたんです。
「それ、食べてみたい!」
たしかにnoshには、子どもが好きそうなハンバーグ系のメニューが種類豊富にそろっていて、しかもおいしい。おいしそうなものとして目に映るのも、無理はありません。
そこで今回、「夏休みだけよ」と言って、食べてもらうことにしました。
冷凍弁当を子どもに出すことに、罪悪感を持つ方もいるかもしれません。でも我が家の場合は、むしろ逆でした。子どもにとっては、ずっと食べたかった”憧れのごはん”。ちょっとしたイベントのような顔で、うれしそうに食べていたんです。
親は手間が省けて、子どもは嬉しい。そういう日が、夏休みに何度かあってもいいよね——今はそう思っています。

数えてみたら、週4回でした
この夏、お弁当を作ったのは週に4回ほどのペースでした。
改めて数えてみて、「意外と作っていたんだな」と思いました。走っている最中は、一日一日をこなすことで精一杯で、全体の距離なんて見えていませんでしたから。
マラソンも、きっとそうですよね。走っている間は目の前の一歩しか見えなくて、ゴールしてから「こんなに走ったのか」と気づく。
今このタイミングで、同じように走り終えた方へ。おつかれさまでした。 本当に、よく走りました。
そして、給食が戻ってきました
2学期が始まって、今いちばん感じていること。
給食、ありがたい——!
これに尽きます。
栄養バランスの整ったあたたかい昼ごはんが、毎日、当たり前に用意される。それがどれだけありがたいことか、夏休みを走り終えた今、心の底から実感しています。
前回の記事でも「給食の先生方には感謝しかありません」と書きましたが、今年はその気持ちが、去年よりもっと強くなりました。
献立を考える人がいて、食材を仕入れる人がいて、朝から大量に調理する人がいて、安全を確認する人がいる。あの一食の裏側には、たくさんの手がある。 同じ管理栄養士として、頭が下がります。
最後に、少しだけ
完走記からは少し外れますが、ひとつだけ書かせてください。
夏休み明けは、大人が思っている以上に、子どもにとって切り替えが大変な時期です。生活リズムも、どうしても崩れがちになります。
まずは朝ごはんを食べるところから、少しずつ戻していけば大丈夫。急がなくていいと思います。
ただ、食欲が落ちている、なんだか元気がないといった様子が続くようなら、担任の先生やかかりつけの小児科に、早めに相談してみてくださいね。「食べない」の奥に、別の理由が隠れていることもありますから。
来年の私へ
最後に、来年の自分に向けたメモを残しておきます。
来年も、手を抜きながら乗り切ろう。
これだけです。
「もっとちゃんとしよう」とは、書きません。だって今年、手を抜いたからこそ、無事に完走できたのですから。
まとめ:完走できたのは、諦めたから
今日のお話をまとめます。
- 「ゴールの見えないマラソン」に、ちゃんとゴールはありました
- 何度目かの夏休みは、手を抜くことを覚えて、去年よりずっと楽になった
- 実際の主役は、ベスト5ではなくツナマヨおにぎり2つ。隙間におかずを差し込むスタイル
- 彩りは諦めました。 食べてもらえなければ、栄養はゼロだから
- 冷凍のお助けおかず(コロッケ・餃子・冷凍弁当)は、予告どおり働いてくれた
- お弁当は週4回ペース。走り終えてから、その距離に気づいた
- そして——給食は、本当にありがたい
夏休みのお昼ごはんに、やっぱり正解はありませんでした。でもひとつだけ、はっきりしたことがあります。
完走できたのは、頑張ったからではなく、諦めたから。
来年また、同じスタートラインに立つ方へ。そんなに気負わなくて大丈夫です。 ツナマヨおにぎりでも、子どもは元気に育ちます。
おつかれさまでした。まずは、ゆっくり休みましょう。

記事内の情報は個人の体験と一般的な情報をもとにしたものです。お子さんの年齢や体質に応じて、無理のない範囲で参考にしてください。食事量や体調について気になることが続く場合は、かかりつけの医療機関にご相談ください。
【この記事を書いた人】
pon|管理栄養士・RYT200保有。医療施設での勤務経験を持つ40代主婦。
実体験をもとに、無理なく続けられる食と暮らしのヒントを発信しています。


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