
健康診断の結果が返ってきて、数値を見て、思わず二度見しました。
HDLコレステロールが、去年より20も下がっていたんです。
「これって、魚を食べなくなったせい? それとも……」
頭の中に、いくつもの「もしかして」が浮かびました。今日は、この体験をきっかけに、管理栄養士として調べたことをまとめます。私だけの話ではなく、同じ世代の方にも、きっと心当たりがあるんじゃないかと思っています。
そもそもHDLコレステロールって?
HDLコレステロールは、通称「善玉コレステロール」と呼ばれるものです。
血管の壁にたまった余分なコレステロールを回収して、肝臓に戻してくれる働きがあり、動脈硬化を防ぐ役割を担っています。数値は高いほうが望ましく、40mg/dl以上が基準の目安とされています。
私は元々、HDLコレステロールが高めの数値で、「良い生活習慣をしているからだ」と、内心ちょっと誇りに思っていたところがありました。それが「去年から20も下がった」というのですから、変化の大きさに、正直ショックを受けました。
日本人の「魚離れ」は、データでも本当だった
「魚を食べる量、減ったよなあ」——そう感じて調べてみたら、これは私の気のせいではありませんでした。
日本人1人あたりの魚介類の消費量は、2011年に、初めて肉類の消費量を下回りました。その後も減少は続き、2020年度には1人あたり年間23.4kgと、比較可能な1960年度以降で過去最低を記録しています。
一方で、肉類の消費量は右肩上がり。私たちの食卓は、この数十年で確実に「魚から肉へ」とシフトしているんです。
このデータを見て、思いました。「これだけ魚を食べる量が全国的に減っているなら、私と同じようにHDLコレステロールが下がっている人、きっと他にもたくさんいるんじゃないだろうか」と。私だけの特別な話ではなく、多くの人に、静かに起きている変化なのかもしれません。

そもそも脂質(コレステロール)ってなに?
ここで少し、脂質全体についても整理しておきます。健康診断でよく聞く「コレステロール」には、大きく2種類あります。
- LDLコレステロール(悪玉):肝臓から全身へコレステロールを運ぶ役割。増えすぎると血管の壁にたまり、動脈硬化の原因に
- HDLコレステロール(善玉):余分なコレステロールを回収し、肝臓に戻す役割
日本動脈硬化学会の基準では、LDLコレステロールは120mg/dl未満が適正域、120〜139が境界域、140以上は高LDLコレステロール血症とされています。
つまり、健康診断のコレステロールの数字は、LDLは低め、HDLは高めが望ましい、という関係になっています。
かつて保健指導の仕事をしていたころ、この数字の傾向には、ある種の”パターン”があるように感じていました。LDLで引っかかる方は、閉経後の女性に多く、一方でHDLが低い方は、喫煙している男性に多いという印象です。もちろん個人差はありますが、現場で数多くの結果を見てきた中で、そう感じることが度々ありました。
40代・50代が知っておきたい「閉経と脂質」の関係
ここからが、今日いちばんお伝えしたいことです。
実は、女性ホルモンのエストロゲンには、LDLコレステロールの分解・排出を助ける働きがあります。ところが、閉経に伴ってエストロゲンが急激に減少すると、この働きが弱まり、LDLコレステロールが上がりやすくなるといわれています。同時に、HDLコレステロールは低下しやすい傾向もあるそうです。
この変化が起こりやすい時期の目安は、50歳前後から。つまり、私たち40代・50代の女性にとって、脂質の変化は「他人事ではない」テーマなんです。
これは、決して怖がらせたくてお伝えしているわけではありません。知っていれば、数値が変化したときに「あ、これかもしれない」と落ち着いて受け止められる。そして、備えることもできます。まずは「そういう時期が来る」と知っておくこと自体が、大きな意味を持つと思っています。

私の場合はこう分析してみた
さて、私自身のHDL低下について。年齢的に閉経の影響も、もしかしたらあるのかもしれません。でも、それだけでは片づけたくなくて、自分の生活も振り返ってみました。すると、心当たりが2つありました。
① 魚を食べる量が、確実に減っていた
以前の記事でも書いたのですが、サバをはじめとする魚の価格が高騰していて、以前より魚を選ぶ回数が減っていました。青魚に含まれるDHA・EPAには、HDLを下げずにLDLを減らす働きがあるとされているので、この変化は無視できないと感じています。
② 気づかぬうちに、歩数が減っていた
もうひとつ、正直な話。愛用していた歩数計付きの腕時計が壊れてしまい、しばらく歩数を意識しない生活をしていました。運動不足も、HDLコレステロールを下げる要因のひとつとされています。「見えなくなると、意識しなくなる」——数字で管理することの大切さを、あらためて実感しました。
閉経の影響なのか、生活習慣の変化なのか、正直はっきりとはわかりません。でも、どちらであっても、私にできることは同じ。だからこそ、次にお伝えする対策を、今日から始めようと思っています。

今日からできること
青魚を、意識して取り入れる
生の魚が高くて手が出にくいときは、サバ缶 が強い味方です。価格が安定していて、栄養もそのまま摂れます。今回はサバの水煮缶をピックアップして、私が試してみたいレシピを3つご紹介します。
① サバの水煮缶とトマトのパスタ
サバ缶を汁ごとフライパンへ、にんにく・トマトと軽く炒め煮て、茹でたパスタと和えるだけ。DHA・EPAとリコピンの組み合わせで、抗酸化力も期待できます。
② サバの水煮缶とごぼう・まいたけの炊き込みご飯
お米・サバ缶(汁ごと)・ごぼう・まいたけ・しょうゆ・みりんを炊飯器にすべて入れて炊くだけ。お米が手頃な今だからこそ、ごはんを主役にできる一品です。
③ サバの水煮缶の冷や汁
サバ缶をみそと混ぜてすりつぶし、冷たいだしでのばして、きゅうり・みょうが・大葉などの薬味をたっぷりのせます。暑くて食欲がない日にも、さっぱり食べられます。
歩数・運動を、取り戻す
私はまず、歩数計付き時計を新調するところから始めようと思います。「見える化」することが、いちばん続けやすい第一歩だと感じています。

まとめ:知っていれば、慌てず備えられる
今日のお話をまとめます。
- HDLコレステロールは善玉、動脈硬化を防ぐ役割。基準は40mg/dl以上が目安
- 日本人の魚離れは、データでも事実。2011年に肉類が魚介類の消費量を上回った
- LDL(悪玉)は120未満、HDL(善玉)は40以上が適正の目安
- 40代・50代は、閉経に伴うエストロゲンの減少で、LDLが上がりHDLが下がりやすい時期
- 私の場合は、魚離れと運動不足が重なっていたと分析
- 今日からできることは、青魚(サバ缶など)を意識する・運動量を見える化すること
体の変化は、誰にでも訪れる自然なことです。必要以上に不安にならなくて大丈夫。まずは知ること、そして少しずつ、できることから整えていきましょう。同じ世代のみなさんと、一緒に元気に過ごしていきたいですね。
気になる数値があるときは、自己判断せず、かかりつけ医にも相談してみてくださいね。

出典・参考
- HDL・LDLコレステロールの基準値:日本動脈硬化学会の診断基準
- 閉経とエストロゲン・脂質の関係:各医療機関の解説情報
- 魚介類・肉類の消費動向:農林水産省・水産庁の統計資料
記事内の情報は一般的な情報提供を目的としたものであり、診断や治療を目的とするものではありません。健康診断の結果について気になる点がある場合は、医療機関にご相談ください。

この記事を書いた人:pon|管理栄養士。医療機関での勤務経験を活かし、減塩・食品表示など「体にやさしい食」をテーマに発信しています。ヨガ講師資格(RYT200)も持ち、食と心身のケアの両面から情報をお届けします。

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