「月見バーガー」「月見パイ」「月見フォカッチャ」……。
この季節、ハンバーガー屋さんに行っても、パン屋さんをのぞいても、コンビニでも、どこもかしこも「月見〇〇」ですよね。
でも、もし「そもそも十五夜って何?」と聞かれたら——答えられますか?
……実は私、うまく説明できませんでした。正直に言うと、お月見をした思い出もありません。 月見メニューは毎年のように目にしているのに、です。
きっかけは、月見バーガーでした
この秋も、マクドナルドの月見バーガーが始まりました。我が家も先日、早速購入していただきました。
マクドナルドの月見バーガーを食べた子どもは、「おいしい!」と大喜び。
そんな様子を見ながら、ふと思いました。
「そういえば、十五夜って一体なんなんだろう?」
我が家では、お月見の日に何かをしたり、特別なものを食べたりする習慣はありません。それなのに、昔に比べて「月見」はずいぶん盛り上がっている気がする。お店が秋を盛り上げようとしていて、みんなもそれを楽しんでいる——そんなふうに感じます。
気になったので、きちんと調べてみました。

この記事で分かること
- 十五夜・中秋の名月って、一体なんなのか ← いちばん知りたかったことです
- 2026年の十五夜はいつ? なぜ満月の日とずれるのか
- 月見団子は何のためのものか
- 「月見」メニューはいつからあるのか
- 卵は1日1個まで? 今の考え方
そもそも、十五夜って一体なんなの?
十五夜とは、もともと昔の暦(旧暦)で、毎月15日の夜のことを指します。
なかでも特別なのが、旧暦8月15日の夜。この夜の月を「中秋の名月」と呼び、お月見をする習わしがあります。
始まりは、中国の「中秋節」
農林水産省によると、十五夜のお月見は中国の「中秋節」に由来しています。
中国では唐の時代から、旧暦8月15日に月を愛でて、家族の幸福を祝う行事が行われてきました。それが平安時代に日本へ伝わり、十五夜のお月見が行われるようになったのだそうです。
平安時代から、長い長い時間をかけて受け継がれてきた行事だったんですね。
「中秋」ってどういう意味?
「中秋の名月」の「中秋」は、秋のまん中のこと。
秋を3つの時期に分けたうち、まん中の時期には美しい満月が多い——そこからこの名前がついたとされています。
旧暦の8月15日は、今の暦でいうと9月中旬から10月上旬ごろ。空気が澄んで、月がきれいに見える季節です。

2026年の十五夜は9月25日。でも、満月じゃない?
では、今年の十五夜はいつなのでしょう。
国立天文台によると、**2026年の中秋の名月は9月25日(金)**です。
ところが——今年の十五夜は、満月ではありません。
| 日付 | |
|---|---|
| 十五夜(中秋の名月) | 9月25日(金) |
| 満月 | 9月27日(日)午前1時49分 |
満月は、2日後なんです。
どうしてずれるの?
理由は、「十五夜」と「満月」が、まったく別の数え方で決まっているからです。
- 十五夜:昔の暦では、新月の日を「1日」として数えます。今年は9月11日が新月なので、この日が旧暦の8月1日。そこから数えて15日目の9月25日が、旧暦の8月15日=十五夜になります
- 満月:月が、地球から見て太陽のちょうど反対側に来た瞬間のこと。今年はそれが9月27日の午前1時49分です
十五夜と満月が1日ずれることは、しばしばあるそうです。でも2日ずれるのは珍しく、前回は2017年、次は2043年。
17年後……。今年の十五夜は、ちょっと特別な年なんですね。
月見団子は、何のためのもの?
お月見といえば、お団子。これにもちゃんと意味がありました。
農林水産省によると、月見団子が食べられるようになったのは江戸時代から。ちょうどお米の収穫の時期と重なることから、農耕の神であり月の神でもある「月読命(つくよみのみこと)」に、収穫への感謝と、翌年の豊作を祈ってお供えしたのだそうです。
そして、お団子をピラミッドのように積み上げるのにも理由があって、感謝や願いを月まで届けるためなんだとか。
ただのお菓子ではなく、「今年もお米がとれました、ありがとう」という気持ちの形だったんですね。

どこへ行っても「月見〇〇」。いつからこんなに?
さて、私が最初に気になった「月見メニュー」の話です。
月見バーガーは、今年で35周年
マクドナルドの公式発表によると、月見バーガーは1991年に誕生。「月を愛でる秋の風習”お月見”をイメージして」生まれた商品で、2026年で35周年を迎えるそうです。
今年は9月2日から、新作3品を含む全8種の「月見ファミリー」が期間限定で販売されています。
気がつけば35年。長く愛されてきたんですね。
ほかのお店も、次々と
月見メニューは、マクドナルドだけではありません。
- ケンタッキーフライドチキン:「とろ〜り月見」シリーズ全5種を、8月26日から数量限定で発売
- モスバーガー:「月見フォカッチャ」
そこに、私が見かけたようなパン屋さんのオリジナル月見バーガーまで加わるのですから、「どこへ行っても月見」と感じるのも当然です。
昔に比べて月見が盛り上がっている——そう感じていたのは、気のせいではなかったようです。お店が秋の季節感を楽しく届けてくれて、みんながそれを楽しんでいる。 十五夜は、「月を見る日」から「月見メニューを味わう季節」へと、形を変えて広がっているのかもしれません。

月見メニューの主役「卵」。1日1個まで、じゃなかった?
月見メニューに欠かせないのが、卵。卵って、おいしいですよね。
ここからは、管理栄養士として少しだけ卵の話を。
卵1個の栄養
スーパーでよく見かけるMサイズの卵は、農林水産省の規格で58g以上64g未満。殻など食べない部分(約14%)を除くと、食べられる部分は約50〜55gです。
日本食品標準成分表の値をもとに計算すると、卵1個でこのくらいになります。
| 卵1個(Mサイズ) | 量 |
|---|---|
| エネルギー | 約71〜78kcal |
| たんぱく質 | 約6.1〜6.7g |
| ビタミンD | 約1.9〜2.1μg |
| コレステロール | 約190〜200mg |
小さな1個で、たんぱく質がしっかり摂れる。頼もしい食材です。

「卵は1日1個まで」は、今は?
以前は「卵はコレステロールが多いから、1日1個まで」とよく言われていました。でも最近、「今はそうではないらしい」と聞いたことがあって、ずっと気になっていたんです。
調べてみると、たしかに考え方が変わっていました。
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」は、2015年版から、コレステロールの摂取量の上限をなくしました。 日本動脈硬化学会は、その理由を「健康な人では、食事のコレステロールの量と、血液中のコレステロール値の関係を示す科学的根拠が十分ではないため」と説明しています。
つまり、健康な人には「1日1個まで」という数の決まりはない、ということです。
ただし、「いくら食べてもいい」ではありません
ここは大事なところです。
日本動脈硬化学会の「動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版」では、次のようにされています。
- LDLコレステロールが高い人は、コレステロールを1日200mg未満にすることが推奨される
- LDLコレステロールが高くない人でも、コレステロールをたくさん摂ればLDLコレステロールが上がることは明らかで、低めに抑えることが望ましい
卵1個のコレステロールは、約190〜200mg。LDLコレステロールが高い人にとっては、卵1個で1日の目安をほぼ使い切ってしまう計算です。
そして、私たち女性にとって気になるのがここです。同じガイドラインによると、女性のLDLコレステロールは、平均閉経年齢の50歳を過ぎると上昇し、男性より高くなるのだそうです。女性ホルモン(エストロゲン)の低下が関係していると考えられています(閉経と脂質の話は、HDLコレステロールが20も下がっていた話でも書きました)。
健康診断でLDLコレステロールを指摘されたことがあるかどうかで、卵との付き合い方は変わってくる——ということを、頭の片すみに置いておいてくださいね。
まとめ:お月見をしなくても、それも今どきのお月見
今日のお話をまとめます。
- 十五夜は、旧暦の15日の夜のこと。とくに**旧暦8月15日の月を「中秋の名月」**と呼ぶ
- 由来は中国の中秋節。平安時代に日本へ伝わった
- 2026年の十五夜は9月25日(金)。でも満月は2日後の9月27日。2日ずれるのは珍しく、次は2043年
- 月見団子は江戸時代から。お米の収穫への感謝と、豊作を祈るためのもの
- 月見バーガーは1991年生まれで、今年35周年。ほかのお店も月見メニューを出している
- 卵1個はたんぱく質約6g。健康な人に「1日1個まで」の決まりはないけれど、LDLコレステロールが高い人は1日200mg未満が目安
正直に言うと、私はこれまでお月見らしいことを何もしてこなかったので、「十五夜のことをよく知らないなんて」と、少し気が引けていました。
でも調べてみて思ったのは、月見バーガーをおいしく食べて、「もう秋だね」と感じる。それも、立派な今どきのお月見なんじゃないか、ということです。
今年の9月25日は、月見メニューを片手に、ちょっとだけ夜空を見上げてみませんか。晴れていれば、満月の2日前の、ほんの少しだけ欠けたお月さまが見られます。
そして10月23日は、日本で生まれた風習「十三夜」。こちらのお話は、また改めて。

出典・参考
- 国立天文台「中秋の名月(2026年9月)」
https://www.nao.ac.jp/astro/sky/2026/09-topics03.html - 国立天文台「ほしぞら情報2026年」
https://www.nao.ac.jp/astro/sky/2026/ - 農林水産省「日本の年中行事と食『十五夜とお月見団子』」
https://www.maff.go.jp/j/pr/aff/2510/event03.html - マクドナルド公式ニュースリリース「”秋の風物詩”、今年もマクドナルドの『月見ファミリー』がやってきた!」(2026年8月26日)
https://www.mcdonalds.co.jp/company/news/2026/0826a/ - 日本ケンタッキー・フライド・チキン公式ニュースリリース(2026年8月19日)
https://japan.kfc.co.jp/news_release/8167 - モスバーガー公式サイト「今年のモスは、コクとろ月見」
https://www.mos.jp/oc/tsukimi202609/ - 文部科学省「食品成分データベース」鶏卵 全卵 生(日本食品標準成分表〈八訂〉増補2023年)
https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=12_12004_7 - 農林水産省「鶏卵の規格」
https://www.maff.go.jp/j/kokuji_tuti/kokuji/k0000481.html - 日本動脈硬化学会「コレステロール摂取量に関する声明」(2015年5月1日)
https://www.j-athero.org/jp/outline/cholesterol_150501/ - 日本動脈硬化学会「動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版」
https://www.j-athero.org/jp/jas_gl2022/
※商品の内容・販売期間は変更される場合があります。情報は2026年9月時点のものです。
記事内の情報は個人の体験と一般的な情報をもとにしたものです。脂質異常症や糖尿病などで治療中の方、健康診断でコレステロール値を指摘されている方は、医師や管理栄養士の指示に従ってください。
【この記事を書いた人】
pon|管理栄養士・RYT200保有。医療施設での勤務経験を持つ40代主婦。
実体験をもとに、無理なく続けられる食と暮らしのヒントを発信しています。

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