
職場の冷房が、強い。
毎年この時期になると思うことです。自分の好きな温度に調整できればいいのですが、職場ではそうもいきません。人に合わせるしかないんですよね。電車もスーパーもひんやり。家に帰れば帰ったで、家族とは設定温度が合わず、子どもは「暑い暑い」とどんどん温度を下げたがる……。
気づけば、手足が冷えて、なんとなく不快。そんな日が、夏には増えていきます。
実は最近、私は夏のはじまりに風邪をひいたばかり。「薄着で過ごしていたこと」「季節の変わり目の疲れ」が原因かも、と振り返ったのですが、その背景には冷房による体の冷えや気温差もあったのかもしれない——そう感じています。
今日は、管理栄養士の私が、「冷房の気温差で自律神経が乱れ、免疫が落ちやすい」といわれるしくみと、その整え方(生活習慣と食事)について、調べたことも交えてまとめてみます。
40代・50代の働く女性の健康に役立つことができたら嬉しいです。
なぜ冷房の気温差で、自律神経が乱れるの?
まず、「自律神経」について簡単に。自律神経は、自分の意思とは関係なく、体温・心臓・呼吸・消化などを24時間調整してくれている、いわば体の自動運転システムのようなものです。
活動モードの「交感神経」と、休息モードの「副交感神経」がバランスをとりながら働いているといわれています。
大きな気温差は、体にとって”がんばりどころ”
この自律神経の大事な役割のひとつが、体温の調整です。暑いところでは汗を出して体を冷やし、寒いところでは血管を縮めて熱を逃がさないようにする——こうした調整を自動でやってくれています。
ところが、冷房のきいた室内と暑い外を行ったり来たりすると、そのたびに自律神経は体温調整に大忙し。1日に何度もこれを繰り返すと、自律神経ががんばりすぎて疲れてしまうといわれています。これがいわゆる「寒暖差疲労」と呼ばれる状態です。

自律神経の乱れは、免疫にも影響するといわれる
自律神経のバランスが乱れると、だるさ・冷え・眠りの浅さ・食欲の低下など、さまざまな不調につながることがあるといわれています。そして、自律神経は免疫の働きとも関わりが深いとされ、バランスが崩れると体の防御力も落ちやすいと考えられています。
夏に「なんとなく体調を崩しやすい」「夏風邪をひいた」という背景には、こうした冷房と気温差の影響が隠れているのかもしれません。
※ここでお伝えしているのは一般的な情報です。気になる不調が続くときは、自己判断せず医療機関に相談してくださいね。
冷房に振り回される、私の毎日
ここで、私の正直な体験を少し。
いちばん困るのが、やっぱり職場の冷房です。自分ひとりの空間ならいいのですが、みんなで過ごす場所だと、温度は人に合わせるしかない。「ちょっと寒いな」と思っても、なかなか言い出せないものですよね。
外に出れば暑いのに、電車やスーパーはキンキンに冷えている。この行ったり来たりが、地味に体にこたえます。
おもしろい(けど困った)のが、4月ごろの電車。「なんでこんな日に暖房が?」という日がよくあるんです。こちらはもう暖房はいらないと思う日に、ぽかぽか暖房が入っていたりします。季節の変わり目は、施設側の温度設定と体感がちぐはぐで、ますます体が混乱してしまいます。
そして家に帰れば、家族と設定温度が合わない。子どもは暑がりで温度を下げたがるので、私はひとり、こっそり上着を羽織る……。気づけば手足が冷えて、なんだか不快。そんな日の積み重ねが、夏の疲れや、あの夏風邪につながっていたのかもしれないな、と今になって思います。

自律神経を整える、生活習慣のコツ
では、どう整えていけばいいのか。私が実践していること・これから意識したいことを、ポイントごとにまとめます。
「温度差」をできるだけ小さくする
自分で冷房の温度を変えられないなら、自分の体のほうで調整するしかありません。私の必須アイテムは上着(カーディガンやストール)。1枚あるだけで、冷えた室内と暑い外の差を、体の表面でやわらげてくれます。ひざ掛けや靴下もおすすめです。
冷たいものを口にしすぎない
体の内側からの冷えも見逃せません。私は冷たいものをあまり口にしないように気をつけています。冷たい飲み物やアイスがおいしい季節ですが、摂りすぎると内臓から体を冷やしてしまうので、ほどほどに。
お風呂で、しっかり体を温める
夏はシャワーだけで済ませがちですが、湯船につかって体を芯から温めることは、冷えた体をリセットし、自律神経を整えるのに役立つといわれています。ぬるめのお湯にゆっくり、がおすすめです。
軽く体を動かす・しっかり眠る
軽い散歩などで体を動かすこと、そして睡眠をしっかりとることも、自律神経を整える土台になります。以前ご紹介した昼休みの10分散歩や朝のヨガも、こういう面でも役立っていたんだなと感じています。

自律神経を整える、夏の食卓
ここからは、管理栄養士として「食」の面から。
正直に言うと、私自身はこれまで「自律神経のために特にこれを食べる」と意識してきたわけではありませんでした。でも今回いろいろ調べてみて、「これは取り入れたいな・続けたいな」と思ったことがいくつもあったので、みなさんにもシェアします。
① 「主食・主菜・副菜」を、ゆるく意識する
体調を整える食事の基本は、主食・主菜・副菜の3つが揃っていることだといわれます。
- 主食:ごはん・パン・麺など。体を動かすエネルギーのもとです
- 主菜:主にたんぱく質(肉・魚・卵・大豆製品)。体をつくり、熱を生み出すもとになります
- 副菜:野菜を中心に。ビタミン・ミネラル・食物繊維を補えます
とはいえ、
毎食きっちり揃えるのは大変ですよね。パスタや麺だけ、外食、という日だってあります。私もそうです。
だから、「完璧に」ではなく「ゆるく意識する」くらいでちょうどいいと思っています。たとえば——
- 麺やパスタの日は、具に肉や卵、野菜をたっぷりのせれば、それだけで主菜・副菜を兼ねられます
- 外食なら、丼ものより定食を選ぶ、サイドにサラダや味噌汁を1品足すだけでもグッと近づきます
- 昼に野菜が足りなければ、夜の食事で補う——そんなふうに1日の中で帳尻を合わせればOK
「3つ揃うと安心」くらいの気持ちで、できるときに意識してみてください。
② 夕飯は、味噌汁で「温活」と「腸活」を
1日の終わりの夕飯には、温かい味噌汁を1杯。これがなかなか優秀なんです。
- 温活:温かい汁物は、内臓から体を温めて、冷房で冷えた体をリセットしてくれます。生姜をすりおろして加えたり、にんじん・大根・ごぼうなどの根菜を具にすれば、体を温める力もアップしますよ
- 腸活:そして味噌は発酵食品。腸内環境を整えることは、免疫の土台づくりにもつながるといわれています(腸活の記事もよかったらどうぞ)
具だくさんにすれば、野菜も、豆腐や油揚げでたんぱく質もまとめてとれて一石二鳥。冷えた体に、じんわりしみわたります。

また、毎日のアーモンドとヨーグルトは、これからも続けていくつもりです。発酵食品のヨーグルトは腸活に、アーモンドはちょっとした栄養補給に。無理なく続けている習慣も、こうして体を支えてくれているのだと思います。
※食事は体調を支えるサポートであり、「これを食べれば自律神経が整う・免疫が上がる」というものではありません。いろいろな食材をバランスよく、が基本です。
まとめ:気温差から、自分の体をやさしく守る
今回のポイントをまとめます。
- 冷房と外気の大きな気温差は、体温調整をする自律神経を疲れさせるといわれる(寒暖差疲労)
- 自律神経の乱れは、だるさ・冷え・睡眠の不調や、免疫の低下にもつながるとされる
- 私自身、職場の冷房・電車・家族との温度差に振り回され、手足の冷えや不快感を感じている
- 生活習慣の対策は、上着で温度差を小さく・冷たいものを控える・湯船で温まる・よく眠る
- 食事は、主食・主菜・副菜を揃えること、夕飯は味噌汁で温活&腸活を意識する
冷房は、夏を健康に過ごすために欠かせないもの。だからこそ、冷房を悪者にするのではなく、上手につき合うことが大切だと思います。
自分で温度を選べない場面は多いけれど、上着を1枚はおる、温かいものを口にする——そんな小さな工夫で、気温差から自分の体をやさしく守っていきたいですね。
記事内の情報は一般的な情報提供を目的としており、診断や治療を目的としたものではありません。不調が続く場合や気になる症状がある場合は、医療機関を受診してください。
執筆者:pon
管理栄養士。医療機関での勤務経験を活かし、減塩・食品表示など「体にやさしい食」をテーマに発信しています。ヨガ講師資格(RYT200)も持ち、食と心身のケアの両面から情報をお届けします。


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