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夏の作り置き、大丈夫?管理栄養士が教える「傷ませない」コツと食中毒対策

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私は、毎週作り置きをしています。土日のどちらかでまとめて作っておくと、平日がぐっとラクになるので、もう長年の習慣です。

でも、正直に白状すると——次の週の木曜、金曜あたりになると、ちょっと不安になるんです。「これ、味変わってないかな?」「まだ食べても大丈夫かな?」って。

特に夏は、その不安が大きくなります。気温も湿度も高いこの季節は、作り置きにとって”危険な季節”でもあるんです。

そこで今日は、管理栄養士の視点から、夏の作り置きを安全に楽しむための食中毒対策を、私の実践方法も交えてまとめました。正しく作れば、作り置きは夏の強い味方になってくれますよ。


その前に…私が見た「腐敗」のリアルな話

食中毒の話に入る前に、忘れられない出来事を。

以前、おにぎりをテーブルの上に置きっぱなしにして、そのまま一晩たってしまったことがありました。翌日見てみると——おにぎりが、糸を引いていたんです。ねばーっと。

「あ、これはもう腐ってる」と、ひと目でわかりました。常温で一晩放置しただけで、食べ物はこうなってしまう。夏の食べ物の管理は、本当に油断できないな、と実感した出来事でした。

こうならないために、大事な原則があります。


食中毒予防の大原則「つけない・増やさない・やっつける」

食中毒を防ぐ基本は、この3つの言葉に集約されます(厚生労働省なども呼びかけている原則です)。

  1. つけない(菌をつけない=清潔に)
  2. 増やさない(菌を増やさない=低温で保存)
  3. やっつける(菌をやっつける=しっかり加熱)

ひとつずつ、作り置きに当てはめて見ていきましょう。


①「つけない」=とにかく清潔に作る

菌を食べ物につけないことが、第一歩です。

  • 手洗いを丁寧に:きれいに見えても、手には黄色ブドウ球菌などの食中毒菌が潜んでいます。調理前はもちろん、生の肉・魚・卵を触った後も必ず洗いましょう
  • 調理器具を使い分ける:まな板や包丁は、肉・魚・野菜で分けるのが理想。生肉を切った器具で、そのまま野菜を切らないように
  • 清潔な保存容器を使う:タッパーはしっかり洗って乾かしたものを

私が徹底していること:素手で触らない

私が作り置きで必ず守っているのが、できあがったおかずを素手で触らないこと。たとえば、茹で上がったブロッコリーを保存容器に詰めるときも、菜箸やトングを使います。

手にはどうしても菌がついています。せっかく加熱したのに、素手で触って菌をつけてしまっては台無し。「加熱後は素手で触らない」、これは夏の作り置きの鉄則だと思っています。


②「増やさない」=温度と水分を制する

食中毒菌が最も増えやすいのは、10〜60℃の温度帯。この温度でいる時間を、できるだけ短くするのがポイントです。

粗熱を取ってから冷蔵庫へ

作り置きでいちばん大事なのが、粗熱をしっかり取ってから冷蔵庫に入れること。温かいまま入れると、庫内の温度が上がり、菌が増えやすい温度帯が長く続いてしまいます。

私の急冷ワザ:保冷剤を下に敷く

とはいえ、夏に自然に冷ますのは時間がかかります。そこで私がやっているのが、作り置きしたタッパーの下に、板状の保冷剤を敷いて一気に冷ます方法。こうすると早く粗熱が取れて、菌が増える前にすばやく冷蔵庫に入れられます。この一手間で、安心感がぜんぜん違います。

保存は「2〜3日」を目安に

そして、これは正直にお伝えしたいこと。冒頭で「木・金になると不安」と書きましたが、実は——作り置きの冷蔵保存は、長くても2〜3日が目安とされています。

つまり、土日に作って金曜まで…というのは、本当は少し長すぎるんです。作りすぎたと感じたら、後半に食べる分は早めに冷凍してしまうのが安全。私も最近は「3日以内に食べ切る分」と「冷凍する分」を分けるようにしています。

水分は傷みのもと

汁気の多いおかずは傷みやすいので、水分をよく切ること。おかずの上に水滴がつかないよう、容器のフタの裏もしっかり拭きましょう。


③「やっつける」=中心までしっかり加熱

多くの食中毒菌は熱に弱く、75℃以上で1分以上加熱すると死滅するといわれています。

  • 肉・魚・卵は、中心までしっかり火を通す
  • 作り置きを食べるときも、食べる前に再加熱すると、より安心
  • 特に、煮物などは「一度火を通したから安心」と思いがちですが、菌の中には熱に強いものもいます。食べる前の再加熱を習慣にしましょう

夏の作り置きの味方「抗菌作用のある食材」

管理栄養士としておすすめしたいのが、抗菌作用のある食材を上手に使うこと。菌の繁殖を抑える手助けをしてくれます。

  • お酢(酢の物、マリネ、南蛮漬け)
  • 梅干し(和え物、混ぜごはん)
  • しそ・生姜・わさび(薬味として)

味付けは、夏は少し濃いめ・しっかりめにすると日持ちしやすくなります。きんぴらや、揚げ物なども夏の作り置き向きです。

夏に「酢の物」が食べたくなるのは、体のサインだった

ここで、私がずっと気になっていたことを。夏になると、自然と酢の物が食べたくなるんですよね。「これって、体が何か分かっているのかな?」と思って調べてみたら——当たっていました

お酢に含まれるクエン酸や酢酸には、疲労回復や食欲増進の効果があります。酸味が唾液や胃液の分泌を促して、食欲を引き出してくれるのです。さらに面白いことに、人は疲れると、酸味を「心地よい」と感じるようになるという研究もあるのだとか。

つまり、夏に酸っぱいものが欲しくなるのは、暑さで疲れた体が「回復したい」と発しているサイン。しかもお酢は抗菌作用で作り置きの傷み対策にもなる——夏の酢の物は、まさに理にかなった、体にやさしいおかずだったんですね。

夏の季節、我が家では毎週のようにピクルスを作っています。自家製の玉ねぎをベースに、スーパーで買ったパプリカやきゅうりなどを加えてたっぷりと作ります。食卓のちょっとのプラス1品になり、1週間はもつ、まさに夏場のベストつくおきです。


こんなサインが出たら、迷わず捨てて

最後に、いちばん大事なこと。少しでも「あやしい」と感じたら、食べないでください。

こんなサインは、傷んでいる証拠です。

  • 糸を引く・ねばつく(あのおにぎりのように)
  • すっぱい・変なにおいがする
  • 色が変わっている、カビが生えている
  • 味がいつもと違う

「もったいないから」と無理に食べて、食中毒になってしまっては元も子もありません。迷ったら、捨てる。 これが夏の鉄則です。


まとめ:正しく作れば、作り置きは夏の味方

今日のポイントをまとめます。

  • 食中毒予防の大原則は「つけない・増やさない・やっつける
  • つけない:手洗い・器具の使い分け・加熱後は素手で触らない
  • 増やさない粗熱を取って(保冷剤で急冷も◎)冷蔵、保存は2〜3日、水分を切る
  • やっつける75℃以上で1分以上、食べる前の再加熱も
  • お酢・梅・しそなど抗菌食材を活用。夏の酢の物は体のサインにも合っている
  • 糸を引く・変なにおいなどのサインが出たら、迷わず捨てる

作り置きは、忙しい毎日を支えてくれる、本当にありがたい習慣です。夏はちょっとだけ気をつけて、安全に、おいしく活用していきましょう。「木・金の不安」ともお別れして、心地よい作り置きライフを楽しみたいですね。


出典・参考

  • 厚生労働省・農林水産省(食中毒予防「つけない・増やさない・やっつける」)
  • お酢・クエン酸の疲労回復・食欲増進について:大正製薬「疲労回復に役立つクエン酸を上手に取りましょう」、金沢大学の研究(有機酸類による疲労回復促進効果)

記事内の情報は一般的な情報提供を目的としたものです。保存期間はあくまで目安であり、食材・環境により異なります。少しでも異変を感じたら食べずに処分してください。


【この記事を書いた人】
pon|管理栄養士・RYT200保有。給食施設・保健指導の現場で15年以上の経験を持つ40代主婦。
実体験をもとに、無理なく続けられる食と暮らしのヒントを発信しています。

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