
最近スーパーに行くたびに、二つのことを感じます。
ひとつは、お米が安くなってきたこと。もうひとつは、サバが、高い……! ということ。
去年はお米が高くて、5kgで4,000〜5,000円台にもなっていましたよね。それが今は3,000円台まで下がってきて、正直ホッとしています。一方で、以前は「庶民の味方」だったサバが、すっかりお高くなってしまって。値段を見て、そっと棚に戻すことも増えました。
いったい、私たちの食卓に何が起きているのでしょう。今日は管理栄養士の視点で、2026年の食卓事情を、栄養と家計の両面から見ていきます。よく食べる魚のランキングや、かしこい乗り切り方もご紹介しますね。
なぜ、お米は安くなってきたの?
まずは、うれしいニュースのお米から。
2026年に入って、お米の価格は下落傾向にあります。スーパーでの5kgの平均価格は、3,700円台の水準にまで下がってきました(一時は高騰して「令和の米騒動」とも言われましたよね)。
その主な理由は、2025年産のお米が豊作だったこと。作付面積が広がり、全国的にも作柄がおおむね順調で、収穫量が増えました。「たくさん採れた→価格が下がる」という、シンプルな流れです。
とはいえ、肥料や燃料、物流のコストは高いまま。以前のような”激安”にまでは戻りにくい、とも言われています。それでも、去年のことを思えば、3,000円台で買えるのは本当にありがたいです。

なぜ、サバはこんなに高いの?
さて、問題のサバ。実は、サバの高騰には4つの理由が重なっているんです。
① 国産サバの記録的な不漁
日本のサバの水揚げ量は、ここ10年で約53万トンから25万トンほどへと、ほぼ半減しています。海水温の変化(黒潮大蛇行)で、サバの回遊ルートが変わり、これまでの漁場で獲れにくくなっているのです。
② 輸入サバ(ノルウェー産)も減っている
「国産がダメなら輸入で」と思いきや、こちらも厳しい状況。サバの資源を守るため、ノルウェーなどは2026年の漁獲枠を前年より約48%も削減する国際合意に至りました。つまり、輸入も減っているのです。
③ 世界的にサバの需要が増えている
健康志向の高まりで、世界中でサバの人気が上昇。特にアジアでの需要が急拡大し、いまや世界規模の”サバの争奪戦”が起きています。
④ 円安
輸入サバは外貨で取引されるため、円安が続くと、それだけ仕入れ値が上がってしまいます。
この4つが重なって、サバの小売価格は1年で約10%も上昇。かつての「安い青魚の代表」が、ちょっとしたご馳走になりつつあるんですね。

みんな、何を食べてる?よく食べる魚ランキング
「じゃあ、今みんなはどんな魚を食べているの?」——気になったので、調べてみました。
家庭でよく食べる魚(家計調査ベース)の上位は、こんな顔ぶれです。
【生鮮魚介 消費量の上位】
- サケ(鮭)
- マグロ
- ブリ

さらに、主婦226人に聞いた「料理によく使う魚」の調査でも——
【主婦がよく使う魚】
- サケ(鮭)
- サバ
- ブリ
面白いのは、あんなに値上がりしているのに、サバはいまだに”よく使う魚”の2位だということ。高くても、みんなサバが好きで、手放せないんですね。焼いても煮ても、缶詰でも大活躍。愛されている魚だなあ、と実感します。

そして、堂々の1位はサケ。私自身の感覚でも、鮭は少し前より高くなったとはいえ、まだ安定した価格で特売してくれるスーパーが多いように感じます。クセがなく、子どもも食べやすく、焼くだけでもおいしい——選ばれ続けるのも納得です。
管理栄養士の、かしこい乗り切り方
値段に振り回されず、栄養もしっかり摂る。そんな工夫を、管理栄養士の視点でご提案します。
サバが高いときは、「他の青魚・青魚缶」で栄養をカバー
サバの魅力は、なんといってもDHA・EPAという体にうれしい脂。でも、これはサバだけのものではありません。
- イワシ・サンマ・アジなどの青魚にも豊富です。かつおのたたきやほっけなども、比較的求めやすい価格で並んでいることが多いですね
- 生魚が高いときは、サバ缶・イワシ缶が強い味方。価格が安定していて、骨まで食べられてカルシウムも◎。栄養面でも家計面でも優秀です
- サケにもDHA・EPAは含まれます。特売のサケを上手に活用しましょう
「サバが高いから魚をやめる」のではなく、魚の種類を柔軟に変えるのが、かしこい選択です。
安くなったお米を、食卓の主役に
せっかくお米が手頃になってきたので、ここはごはんを主役にしたいところ。
- 具だくさんの炊き込みごはんや混ぜごはんなら、少しのおかずでも満足感たっぷり
- 鮭フレークやサバ缶をのせた丼はもちろん、魚介とお米を一緒に楽しむパエリアにすれば、食卓がぐっと華やぎます
- ごはん+具だくさん味噌汁+一品、の主食・主菜・副菜を意識すれば、コスパよく栄養も整います

「高い=買わない」ではなく「今日は何が買い時か」で選ぶ
私自身、サバは「安いと感じたら買う、高いときは潔く諦める」ようにしています。旬のもの・特売のものを上手に選べば、その日いちばんお得で栄養のある食材にたどり着けます。値段は、食材を選ぶ楽しいヒントでもあるんですね。
まとめ:値段の変化は、食卓を見直すチャンス
今日のお話をまとめます。
- お米は豊作で値下がり傾向(5kg 3,000円台も)。ごはんを主役にする好機
- サバは高騰。理由は「国産の不漁・輸入減・世界的な需要増・円安」の4つ
- よく食べる魚の1位はサケ。サバは高くても”よく使う魚”2位で健在
- かしこい乗り切り方は、青魚缶や他の魚で栄養をカバー・安いお米を活かす・買い時で選ぶ
食材の値段は、これからも上がったり下がったりするでしょう。でも、「高いものを我慢する」のではなく、「今お得なもので、おいしく栄養を摂る」と考えれば、値段の変化も、献立を見直す楽しいきっかけになります。
今日のスーパーでは、何が”買い時”でしょうか。かしこく選んで、おいしい食卓を楽しみましょう。

出典・参考
- 米の価格動向:米穀安定供給確保支援機構、農林水産省の公表データ
- サバの漁獲・価格:水産庁、国際海洋探査委員会(ICES)の勧告、東洋経済オンライン等の報道
- よく食べる魚:総務省「家計調査」、kufura(主婦226人アンケート調査)
記事内の情報は執筆時点の一般的な情報提供を目的としたものです。価格は地域・時期により異なります。
執筆者:pon
管理栄養士。医療機関での勤務経験を活かし、減塩・食品表示など「体にやさしい食」をテーマに発信しています。ヨガ講師資格(RYT200)も持ち、食と心身のケアの両面から情報をお届けします。


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